就活中の学生(主に女子大生)に対して企業側の人間(主に男性社員)がセクハラをされ被害に遭うという『就活セクハラ』がかなり深刻化しているというニュースが増えています。
事実、そういった被害に遭う学生は増えていて、対策を求めなければならないほどの事態になっているのだとか。こうした『就活セクハラ』はどういった事例があるのでしょうか?また、被害にあった学生からのひどすぎる実話も…。
就活セクハラとは?
出典:Getty images
そもそも『就活セクハラ』というのは、どのようなものをさすのでしょうか?
色々な事例があるのですが、このセクハラは言葉や行動など色々な例があります。
例えば企業の採用担当者から、面接で
と言われるなど、言葉でのセクハラを受けることが当てはまります。
また、言葉だけでなく、自分の体を触ってきたり、ひどい時は性的暴力に発展するほどのひどい事例もあります。
Business Insider Japanが行ったアンケートによると、こういった『就活セクハラ』の被害に遭った学生は約5割で、そのうちの約7割が誰にも相談できずにいるというひどい事態が明らかになったそうです。
実際、私も就職活動中に面接官に「今恋人はいるの?」と聞かれたことがあります。
その時はいなかったので素直に応えて、それ以上は聞かれることがなかったのであまり受け止めないようにしていましたが、この会話のやり取りも就活セクハラに当てはまるのだと思うとぞっとします…。
就活生にとって、希望の会社に就職することは大きな壁となっており、両親を喜ばせたり自分のためにも「絶対に採用されたい!」という思いが強いため、多少は辛いことがあっても受け止めて頑張ろうという意気込みで面接に臨む学生も少なくありません。
そんな思いに漬け込み、採用担当者という職権を乱用して学生を利用するなんてひどすぎますよね。
就活セクハラのひどすぎる事例や実話
『就活セクハラ』で大きく注目された話だと、大手ゼネコンの大林組の社員が強制わいせつ容疑で逮捕されたニュースが2019年頃にありました。
これは、OBOGをつなぐスマホアプリで知り合ったことから始まりました。
就活中の女子大学生は、就活の一環としてOB訪問をし、27歳の男性社員と会ったそうです。
そこで男性社員は
と言って女子大学生を自宅マンションに誘い、わいせつな行為をし、逮捕されました。
他にも、実話として巧妙な手口を使う例もあります。
女子大学生のSさんは、ホームページ制作関係の仕事に携わりたいと思い、そういった仕事ができる会社を探していました。
すると、まさに自分の希望の条件と合った会社が出てきたため応募したのですが、のちに就活セクハラの被害に遭うことになってしまいます。
第一次面接では特に怪しい様子などはなく、40代の男性社員がよく面接で聞かれそうな質問をしてきたそうで、Sさんは聞かれることに対して必死に答えていたそうです。
そのひたむきな姿勢が伝わったようで、一次面接は通過したのですが、次の二次面接で空気が変わっていきます。
一次面接を担当した面接官から
と言われたそうです。
通常の面接時間からしたら遅めですよね。
Sさんは
と感じたものの、面接官の方も忙しいのかなと思い、その時間で面接の約束をしたそうです。
二次面接ではスキルテストを行う予定となっていたようで、Sさんはそのつもりで面接会場へと向かったそうです。
すると、二次面接で出てきた社員は一次面接の時と同じ40代の男性社員が出てきたそうです。
通常は同じ社員が面接をすることはあまりないのですが、とりあえずSさんは一次面接の時のように普通に受け答えをしていたそうです。
すると、その面接官が急に
と唸り始め、2〜3分間話もせずにずっと唸っていたそうです。
Sさんが不安になり始めた頃、面接官は
と指摘されます。
焦ったSさんは
と質問。
すると面接官は
と言われたそうです。
そこからはひたすら殻を破れていないことについてひたすら指摘を受けていたようなのですが、その話の中で彼氏のことを聞かれたり、なぜか面接官がラ○ホテルに行ったときの話までされたのだとか。
もうここまでいくと完全にセクハラなのですが、違和感を覚えながらも聞いていたSさんは、面接官に
と、なぜか飲みに誘われることに。
ただ、当時は『就活セクハラ』という言葉もなく、Sさん自身も悩んだものの「こういうものなのかな」と思ったことから、飲みに行ったんだそうです。
しかし、居酒屋に着いて席に座ると、またしても殻を破れていないことについての話が始まったそうです。
Sさんは
と思っていたのですが、5分くらい話してから面接官が
と、驚きの発言をします。
Sさんは言葉を失って固まってしまったそうです。
そこからは、
と、性的な言葉を多用するようになり、最終的にはラ○ホテルへの誘いの言葉しか言わなくなったんだとか。
Sさんは、「行きます」と言わない限り話が進まない状況になってしまっていたため、
ということだけ考えていました。
ですが、どうにも話が進まない状況になり、いったんお手洗いに逃げ込むことに。
すると、後ろから
と大きな声で言ってくるという恐ろしい状況に…。
いったんお手洗いで落ち着き、嫌なのでハッキリと面接官に意思表示をしようと思い、席に戻ったSさんは、一言
と伝えたそうです。
しかし、面接官は
と言い、勝手にお酒を頼まれて、ひたすら「殻を破れていない」という話と、
と延々と誘われ、そのたびにSさんが断るという地獄のような状況に陥っていました。
Sさんは30〜40回ほど、ずっと「嫌です」と言い続けたそうです。
すると、あまりに「はい」と言わないSさんにイラついたのか、面接官は
と言われたそうです。
Sさんは当時必死に就活をしていたそうなので、「ここまで面接が進んできたのに、全てがなしになってしまうかもしれない」ということが頭をよぎったようですが、よく考えれば面接官は自分の立場を利用して女子大学生Sさんの弱みに漬け込んでいただけですよね。
ですが、こんなことがありSさんは親にも相談できず、しばらくの間殻に閉じこもってしまったそうです。
就活セクハラの対策方法はある?
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社員に対してのセクハラに対する意識は年々高くなっているのですが、それに対して就活生に対してはそれがないため、悪い意味でセクハラの”ブルーオーシャン”になってしまっているんだとか。
就活セクハラを防ぐ対策方法はないのでしょうか?
現在、署名サイト「Change.org」では、「#就活ハラスメントをなくしてください」が立ち上がっています。
この署名では、就活中の学生を就活セクハラから守ることを企業に義務付けるほか、大学や経団連にも対策を促すことを求め、11,000以上の署名が集まり、去年11月に厚生労働省にも提出されたとのことです。
しかし、そういった中でも就活セクハラがまだ行われていて被害に遭う大学生もいることは確かです。
少し前に『あさイチ』では、その就活セクハラの対策として
「OBOG訪問はなるべく女性社員を訪問するように」
「OB訪問で遅い時間や個室を指定する人を避けるように」
「被害に遭った時は記録を残して総合労働相談コーナーに相談するように」
などといった、「学生側が身を守るように」という被害者側が対策するようにという内容を放送して物議を醸していました。
しかし、これはおかしいですよね。
本来ならば、加害者側である企業側が対策しなければならないです。
もちろんOB訪問などで自宅に誘ってくるような、怪しいと思わせるような提案をしてくる社員からは逃げた方が安全ではありますが、本来であれば企業側がセクハラ禁止を周知したり、加害者を出さない取り組みを徹底すべきだと思います。
就活セクハラの被害を受けた学生は、誰にも相談できず一人で悩み殻に閉じこもってしまうという人も多いようです。
今は具体的な対策方法を調べてもなかなか効果的な方法が出て来ずもどかしいですが、一刻も早く企業側がセクハラ禁止の周知と、これ以上加害者を出さないよう取り組みを強化してくれることを祈っています。
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