先日から日本だけでなく世界的にかなりの話題を集めた「パナマ文書」事件。約21万4,000社にも及ぶ企業の情報が一気に公開され、大ニュースになりましたよね。この世界的なスキャンダルとなった「パナマ文書」には、もちろん海外の企業だけでなく日本でよく聞くような日本企業も公開されており、さらには個人の日本人の名前まであったり…とにかくすごいことになっています。ここではそのパナマ文書に掲載された日本企業一覧と個人の日本人名、またパナマ文書についてよくわからない方のためにもわかりやすく説明していきます!
「パナマ文書」関連の記事はこちらにもあります。(日本「租税情報交換協定」締結によって五輪招致賄賂疑惑を隠蔽か?)
パナマ文書とは?
出典:BBC.com
「パナマ文書」についてのニュースは世界規模でかなりの話題になりましたが、そもそも「パナマ文書」ってどういうもので、なぜこんなにも大々的にニュースに取り上げられたのでしょうか?
まずその理由を簡単に答えをまとめると、パナマ文書内に記載された、タックス・ヘイブンでペーパーカンパニーを設立した企業名や富裕層の個人名が流出したことで、全世界の企業名や富裕層の個人名がそのまま見れてしまったことと、そのタックス・ヘイブンに持つ未申告の資産が総額2,200兆円以上の超巨額になっていたからです。
ここで色々な難しい言葉が出てきたので、順に説明していきます。
まず、「パナマ文書」とはパナマにある法律事務所『モサック・フォンセカ』によって作成された機密文書です。
そして「タックス・ヘイブン」とは租税回避地という意味です。日本や他ほとんどの国では所得税や法人税など国に対して払わなければならない税金がありますよね?もちろんこの税金を納めなければ”脱税”として国から追徴課税されたり逮捕されたりするのですが、ごく一部の国ではそういった所得税や法人税がない国があるんです。
その所得税や法人税がないごく一部の国のことをタックス・ヘイブンといいます。
タックス・ヘイブンに当たる国は、パナマをはじめアルバやバハマ・ベリーズなど上の画像に載っている一部の国々です。
当たり前の話ですが、所得が多ければ多いほど納税額も多くなりますよね?その巨額の税金支出をどうにか抑えたいと考えた大企業や富裕層の人たちが目をつけたのが、このタックス・ヘイブンの国なのです。
ただタックス・ヘイブンが成り立つのは小さな国だからであって、他の国の企業がその地で仕事を作って税金を抑えるというのはさすがに無理があります。ですが、実際には存在しない架空の会社(ペーパーカンパニー)を作り、そこに送金をすることによって全く関係のない会社への支出という名目で裏金を作っていたんですね。
これができるようになると、マネーロンダリング(資金洗浄)も可能になります。ちなみにマネーロンダリングとは、麻薬などの犯罪行為で得た不正資金や賄賂、テロ資金などを口座から口座へと転々とさせて資金の出所や受益者をわからなくする行為のことです。口座を転々とするうちに不正資金が正当な資金のように洗浄(ロンダリング)されてしまうことからそう呼ばれるものなのですが、これはもうゾッとしてしまうようなヤバい行為ですよね…。
もちろん日本の大企業や個人名が出ただけでも十分驚きなのですが、その流出したリストの中に
アサド (シリアの首相)
ウラジーミル・プーチン (ロシアの大統領)
グンロイグソン (アイスランドの首相)
サルマーン・ビン・アブドゥル・アジズ (サウジアラビア国王)
デービッド・キャメロン (イギリスの首相)
ナジブ・ラザク (マレーシアの首相)
習近平 (中国の国家主席)
李鵬 (中国の元首相)
など、世界の首相・大統領クラスの大物政治家の名前が出てきた他、
ジャッキー・チェン (香港の映画俳優)
リオネル・メッシ (アルゼンチン代表のサッカー選手)
ミシェル・プラティニ (欧州サッカー連盟の元会長)
といった大物有名人の名前まで出てきたのです。
パナマ文書には、そういったタックス・ヘイブンを利用して大企業や個人が税金を節税(税金の負担を軽減)していたということを裏付ける内容が書かれているのです。その情報を握るパソコンのデータがハッキングされ、約23万8,000件もの企業に関する情報と個人の情報が流出したということです。そしてこの流出されたデータのうち、日本の企業と個人名に関する情報の件数は企業が約20社・個人は約230名見つかったとのことでした。
いかがですか?ここで「パナマ文書」と「タックス・ヘイブン」について、そしてなぜ今回こんなにも大ニュースとなったかがようやくわかると思いますが、世界でこんなにも多くの企業や富裕層の人達が税金の支払いをおさえるためにタックス・ヘイブンを利用していたのです。これは相当なスキャンダルですよね…。
パナマ文書に掲載された日本企業一覧
「パナマ文書」の機密情報流出によって、世界だけでなく日本の大企業や個人名までもが明らかになってしまったのですが、これによって流出された日本企業はどこだったのでしょうか?
全企業・全個人名が載ったページがあったのですが、これを全てここに記載すると見飽きるくらいの情報量になってしまうので、全貌が気になる方は以下のサイトを地道に見てみてください。
ただ、これを1つ1つ見ていくのは途方もなく時間がかかるので、特に有名な企業などを抜粋してご紹介します。
伊藤忠商事
伊藤忠丸紅鉄鋼
オリックス
三共
サンライズ
ジー・モード
シャープ
ジャフコ
JAL
商船三井
石油資源開発
双日
ソフトバンクグループ会社
ソニー
大宗建設
大日本印刷
大和証券
電通
東京海上
東レ
トキワ
トシュカ
ドリームインキュベータ
ドリテック
トレンディーインフォメーション
ドワンゴ日本郵船
日商岩井
日本製紙
ネオマックス
ノースイ
パイオニア
バンダイナムコ
ファーストリテイリング(ユニクロ)
ホンダ
丸紅
三井住友FG
三菱商事
みずほFG
やずや
山一ファイナンス
郵船航空サービス
楽天
これらがパナマ文書に乗っていた主な日本の企業名です。名だたる大企業ばかりですね…。
大手企業の多くはこの情報流出を受けて「海外で事業展開する上で必要だったため租税回避が目的ではない」と説明していますが、本当に海外での事業のために行った企業もあるのかもしれませんが当然真実を言えば会社が危機に追い込まれるので隠している企業もあるはずです。
パナマ文書に掲載された個人の日本人もヤバい?!
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日本の大企業がずらりと公表され、報道陣が一気にその企業の社長など役員の方に詰め寄り真相を暴こうとする様子が日々ニュースで見られることや、世界的な大物政治家までもがパナマ文書のリストに名が載っていましたが、個人名での日本人の名前はどういった方々が載っていたのでしょうか?現時点で明らかになっている人をご紹介します。
飯田亮 (セコム取締役)
上島豪太 (UCCオールディングス社長・UCC上島珈琲グループCEO)
戸田寿一 (セコム元取締役)
内藤一彦 (東宣取締役会長)
内藤俊彦 (東宣取締役社長)
三木谷浩史 (楽天会長兼社長)
現在はこれらの方々の名前が確認されていますが、やはりどの方も租税回避については否定しています。
しかしここで気になるのが、なぜ日本の政治家の名前は報じられていないのかです。理由は2つあります。
1つは、日本の国税庁の追求はかなり厳しく、相続税の課税対象になりそうな人は片っ端から銀行に調査依頼が届きます。日本の銀行は当局に協力的なので、複数の銀行に資産を分散させていても、あっという間に名寄せされてしまうからです。
2つ目は、日本の政治家は政治団体を使った資産継承が可能なので、タックス・ヘイブンを使う必要がないからです。
1つ目の理由はわかりやすいですが2つ目の理由はどういうことなのでしょうか?
日本では、政治団体に寄付すれば非課税になり、さらに政治家が1つだけ指定できる資金管理団体への寄付は、税金の特別控除も受けられるようです。安倍晋三首相は、約数億縁もの献金を集めていた父・晋太郎氏の政治団体を引き継いでいるようです。以前より厳しくなったものの、古人の政治団体への寄付の上限は年間1,000万円で、幾つかの団体に分散させた上で政治団体を継承させるか、子供の政治団体に寄付すれば相続税はかからないとのことです。(出典:週刊文春)
つまり、日本の政治家にとってのタックス・ヘイブンは日本だったということなのです。
パナマ文書のリストには上がらなかったものの、結局日本の政治団体への寄付からこのようなことをしていたならあまりやっていることが変わらないですよね。
こんなにも大企業や世界的な大物政治家たちが租税回避をしていたら、真面目に働いている私たち国民が馬鹿みたいに思えてきてしまいますよね…。
まだまだ今後も「パナマ文書」についての調査は続き、情報はさらに出てくることでしょう。今まだ明らかになっていないさらに新たな事実が出てくるかもしれません。今後の情報にも注目が高まります。
「パナマ文書」関連の記事はこちらにもあります。(日本「租税情報交換協定」締結によって五輪招致賄賂疑惑を隠蔽か?)
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コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 数年前に、パナマ文書に公開された日本企業一覧があるように、日本では、今でもそうしている会社はあります。🤫 […]