最近は様々な環境の変化から、精神状態が乱れてうつ病になってしまったり気が病んでしまう人が多く見られます。
特にコロナ禍になってからは、家で過ごす時間が増えたということもあり、『カサンドラ症候群』になってしまうという方も少なくないようです。
今回は、カサンドラ症候群とはどのような状態を指すのかという基本的なことから、原因や克服方法、そして「自分はカサンドラ症候群じゃないかな?」と気になる方に、チェック診断もご紹介します!
『カサンドラ症候群』とはどのような状態?原因究明!
まず、気になる『カサンドラ症候群』がどのような状態のことを指すのかご説明します。
そもそも『カサンドラ症候群』は、ギリシャ神話に登場するトロイアの王女カサンドラが、予言を誰にも信じてもらえず苦悩したということから名付けられました。
カサンドラ症候群とは、正式な医学名ではないですが、発達障害者の配偶者が陥る状態のことを指します。
発達障害者への報われない支援の毎日から、精神的苦悩や疲弊が大きくなりすぎて、パートナー自身が精神的にサポートが必要になる状態のことです。
具体的にどのような状況のことを指すの?という方は、下の画像をご覧下さい。
このように、コミュニケーションが上手くいかないことからパートナーが悩んでしまうことで起こります。
発達障害者の配偶者にとって何より苦しいのは、相手が「自分のことをどう思っているか伝わってこない」ことです。
「やってもらえない」「わかってもらえない」はまだしも、意思不明で「全てはあなた次第」と言わんばかりの相手の態度に絶望してしまうのです。
カサンドラ症候群はあくまで『症候群』なので、精神障害の概念ではありませんが、こういった状態に陥ってしまうと、症状として抑うつ状態、不眠、パニック障害、体重の増減、無気力状態、偏頭痛などに悩まされてしまうことが多くなります。
そうなってしまった場合は、やはり病院に行き医師と相談するのが良いかと思われます。
カサンドラ症候群に悩む女性(妻が発達障害で、夫がカサンドラになる場合もあるが、障害の発生率は男性の方が高いため、女性のケースが多い)は実は多くいます。
ですが、当事者は多いもののそれを相談したり当事者同士で話し合えるような場が現状は非常に少ないため、自分自身だけで思い悩み、体へ色々な症状が出てしまいさらに悩んでしまう…という方が多いようです。
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カサンドラ症候群になりやすい人とはどんな人?
カサンドラ症候群について原因や症状などをご紹介してきましたが、では実際にこのカサンドラ症候群になってしまいやすい人とはどのような人に多いのでしょうか?
先ほどもご紹介したように、発達障害やアスペルガー症候群は、比較的男性に起こりやすい障害です。
そのため、カサンドラ症候群が起こるのは、そういった障害を持つ男性を夫やパートナーに持つ女性に多いと言われています。
しかし、夫婦やパートナー間のみにカサンドラ症候群が起こるのではなく、家族や友人、会社の同僚など、アスペルガー症候群がある人に関わる身近な人にも、カサンドラ症候群が起こる可能性があります。
なので、夫やパートナーが発達障害ではなくても自分自身が「カサンドラ症候群なのかも…?」と思い当たる方がいたら、それはあなたの身近な人が発達障害やアスペルガー症候群である可能性が高いです。
自分はカサンドラ症候群…?チェック診断!
この記事を読んで、「もしかしたら自分もカサンドラ症候群なのかも…?」と思ってしまった方もいるかもしれません。
なので、簡単なチェック診断をご用意しました。
以下の項目に、「当てはまる」か「当てはまらない」かで判断していって下さい。
[box class=”yellow_box” title=”カサンドラ症候群チェック診断表”]
(1) 身体の不調が出ている(不眠 / 片頭痛 / ホルモンの乱れ / 摂食障害 etc.)
(2) 精神面の異常を自覚している(抑うつ / 無力感 etc.)
(3) パートナーへの違和感を周りに言えない、または言っても理解してもらえず辛い
(4) 自分の考えや行動がおかしいと責められたり無視されたりして辛い
(5) 会話がかみ合わなかったり怒りの沸点がわからないのでパートナーの顔色を伺う毎日だ
(6) 子育ての相談事を聞いてくれず寂しくなる
(7) パートナーの感情や言動に常にイライラが止まらずストレスが大きい
(8) 自分自身が攻撃的になっていてる自分が嫌でたまらない
(9) パートナーには何を言っても無駄だろうと感じて無力感に悩まされている
(10) 共感しあえない事への絶望感がある
(11) 自分に自信を持てなくなっている
(12) パートナー以外の人間関係でもどう付き合っていいのかわからなくなっている
(13) 過去の結婚(恋愛)の失敗を教訓にしたつもりが同じトラブルを繰り返している
[/box]
以上がチェック診断となります。
この上記の項目のうち、5個以上当てはまるという方がいたら要注意!
あなたは『カサンドラ症候群』になってしまっているかもしれません。
ただ、先ほどもご紹介した通り、カサンドラ症候群は病気・病名ではなくその方自身の精神状態を表す呼称ですので、「自分は病気なんだ」とまでは思わないで下さいね…!
カサンドラ症候群は克服できるの?
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もし上記のチェック診断に多く当てはまる項目が多く、自分がカサンドラ症候群かもしれないと思った方は、対処法や克服方法はあるのかと心配になってしまいますよね。
例えば、カサンドラ症候群の症状の一つであるうつ病の症状を緩和するために薬物療法が行われることがあります。
しかし、カサンドラ症候群はコミュニケーションという対人関係から起こるものなので、薬物によって症状の緩和ができても、根本的な解決につながっているとは限りません。
なので、カサンドラ症候群の対処法について以下にいくつかご紹介します。
お互いを理解しようとする
まずは、お互いが相手の立場を理解し合うことが大切です。
例えば、発達障害やアスペルガー症候群の人が察することを求めすぎず、「夫は相手のことを察することが苦手だ」ということを理解したり、発達障害専門のプログラムや病院での受診などを通して、本人がアスペルガー症候群であることを理解して受け入れることなどがあります。
発達障害専門のプログラムを行っている病院などもあるので、そういった病院に一度相談しに行くのも良いかと思います。
専門機関や病院へ相談する
仮に発達障害やアスペルガー症候群について理解していたとしても、解決法がわからず辛い場合も多いでしょう。
体調が悪くなったり、ストレスが強いときは、一人で抱え込まないことが大切です。
心療内科や精神科といった医療機関、発達支援センターなどでも相談ができるようので、まずは相談をしてみることをおすすめします。
距離を置いてみる
お互い理解しようとする姿勢も大事ではあるのですが、逆にある程度の距離を置くことで症状が改善する人もいます。
夫婦や家族の場合、別居という形をとるなどしてストレスのもととなる対人関係から離れることで、気を休めることだけではなく、冷静になったり状況を見つめ直したりすることができる場合もあります。
ネットで意見交換をする
他にも、同じ体験をしている人のブログやSNSなどから、発達障害やアスペルガー症候群との向き合い方を理解しようとしている人もいます。
ブログだけではなく自助グループのように、同じ悩みや辛さを抱え散る人たちがお互いに励まし合っている方たちもいるようですよ。
自助グループを活用する
カサンドラ症候群は、周りに悩みを相談しても理解してもらえず孤独感を感じてしまうことが多いのですが、同じような悩みや辛さを抱えた者同士がお互いに支え合い、励まし合うことで、問題の解決や克服を図る活動というものがあります。
それを自助グループといいます。
自助グループではセミナーやワークショップなどを行っており、個別相談を行っている自助グループもあります。
身近な居住地に利用したい自助グループがあるかどうかの情報は、市区町村や保健所、精神保健福祉センターに問い合わせて見て下さい。
いかがでしたか?
カサンドラ症候群は、どうしても環境のせいで自分自身で思い悩んでしまうことが多いですが、上記のように病院だけでなくネットや自助グループに頼ってみると、少しでも解決法や克服方法が見つかるかもしれません。
どうか1人で悩まず、できることなら色々なところへ相談し、少しでも今後より良い環境・より良い生活ができるよう少しだけ頑張ってみて下さい。
あなたの悩みが解決しますように。
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